弁護士採用

弁護士インターンシップ

スぺシャリスト採用
(税理士、弁理士等)
スタッフ採用

Voice

留学ボイス
川本 健 弁護士(2017年登録)

私は2018年1月にMori Hamadaに入所し、その後約4年半にわたり、M&A・コーポレートを中心とした業務に携わってきました。2022年夏から米国ペンシルベニア大学ロースクールに留学した後、2023年秋からはMori Hamadaのニューヨークオフィスで働き、2024年春からは英国のSlaughter and May法律事務所で研修を行いました。以下では、ニューヨークオフィスでの業務と英国の法律事務所での研修を中心に、留学生活の一部をご紹介します。

ニューヨークオフィスでの業務

ロースクール留学とニューヨーク州弁護士試験を終えた後、2023年9月にMori Hamadaのニューヨークオフィスにて、オフィスの開設と同時に働きはじめました。ニューヨークオフィスでは、日系クライアントの対米投資案件や米国におけるジェネラルコーポレート案件、米系クライアントの対日投資案件などを担当しました。また、オフィスの開設のタイミングであったことから、オフィス開設の挨拶や米国の法律事務所とのリレーションの維持・強化を目的としたミーティングにも参加しました。
米国における法律が問題になる案件を担当した際には、米国特有の法律の複雑さを実感しました。例えば、米国では州ごとに法律や弁護士資格が異なるため、準拠法を検討した後、関連する州法の弁護士からもアドバイスを受ける必要がありました。また、紛争に発展する可能性がある場合には、秘匿特権(Privilege)に留意しつつコミュニケーションを取ることが求められました。これらは米国のロースクールで学んだ基本的な事項ですが、その知識を実際の案件で活用することができたことは有意義でした。
米系クライアントの対日投資案件では、米国と日本の法制度の違いを踏まえて質問に回答することにより、留学で得た知識を実務に活かすことができていることを実感できました。また、クライアントから迅速な確認を求められた際には、即座にオンライン会議を設定して回答するなど、ニューヨークにいるからこそ可能な時差のない対応ができたことも印象に残っています。
米国の法律事務所とのミーティングでは、大手事務所の規模や豪華なオフィスを目の当たりにし、米国のリーガルマーケットの規模の大きさを実感しました。また、多様なバックグラウンドを持つ米国の弁護士との会話は、巨大な米国のリーガルマーケットの中で日本人弁護士としてどのように価値を発揮することができるかを考える貴重な機会となりました。

ニューヨークでの生活

海外生活の良い点の1つは、その都市に住む人々と知り合うことができる機会が多いことです。ニューヨークでは、法曹関係者の集まりや業種を問わない集まり、出身校の同窓会など、さまざまなイベントに出席し、多様な業界で活躍する方々と交流することができました。世界中で活躍する幅広い人々と交流することで、多様な視点を得ることができ、有意義な経験となりました。
休日には、ブロードウェイでミュージカルを鑑賞したり、ニューヨークシティマラソンに参加したり、米国各地への旅行に出かけたりしました。また、大型連休には、日本からは移動時間や時差の関係で訪れるのが難しい南米にも旅行することができました。

英国の法律事務所での研修

2024年4月からは、Slaughter and May法律事務所のロンドンオフィスで1年間の研修を行いました。M&A・コーポレートのグループに配属され、英国内のM&A案件や多数の法域にまたがるクロスボーダーM&A案件のほか、資金調達案件や訴訟案件も担当しました。また、日本への投資や日本法に関する初期的な質問への対応、また日系クライアントとのビジネスディベロップメントのサポートも行いました。
周囲のほぼ全員が英語ネイティブ(かつイギリス英語)という環境で働くのは大変でしたが、契約書の作成や修正の際に着目すべきポイントや注意すべき事項は、言語にかかわらず共通している部分が多いため、Mori Hamadaでの経験を活かして対応することができました。クライアントとの会議では、私と同世代の弁護士や若手弁護士が内容面でも話し方の面でも非常に上手く話していたのが印象的で、良い刺激になりました。
Slaughter and May法律事務所での1年間の研修を通じて、英国の法制度や実務、欧州と日本の働き方の違いを実感できました。また、同僚の弁護士や世界各国からの研修生など、多様なバックグラウンドを持つ弁護士と交流できたことも非常に有意義でした。仕事面では、案件の進め方やアドバイスの際に重視するポイントについて、日本との相違点を知ることができました。仕事以外では、英国や欧州、その他の地域から見た日本についてや、欧州選挙での極右政党の台頭や英国における政権交代などの政治動向についても意見を交わすことができ、視野を広げることができたと感じています。

ロンドンでの生活

ロンドンでもイベントへの参加を通して、さまざまな人々と知り合うことができました。また、ロンドン市内には多くの歴史的な建物や広大で美しい公園があり、日本から見ると非日常的な空間で日常を過ごすことができたことも、ロンドン生活の魅力の1つでした。
休日には、ロンドンやその周辺の観光のほか、スコットランドやウェールズ、欧州各国への旅行にも出かけました。ロンドンから欧州各国には2時間程度のフライトで行けるため、週末を利用して多くの都市を訪れることができました。

終わりに

留学から研修までの期間は、英米の法制度や実務に触れるとともに、多様な弁護士との交流を通じてMori Hamadaや日本の法律実務について幅広い視点から考える貴重な機会となりました。また、フィラデルフィア、ニューヨーク、ロンドンで生活し、日本との文化の違いを実感することができたことや、報道で取り上げられている世界各地のニュースを日本にいるときよりも身近に感じることができたことは、貴重な人生経験になりました。
米国と英国での2年8か月にわたる生活を通じて、業務に直接関係するものから関係しないものまで、多くの有意義な経験を積むことができました。この経験で得たグローバルな視点を、今後のMori Hamadaでの業務に活かしていきたいと考えています。

Next