LLMプログラムのカリキュラム
ハーバード大学のロースクールのLLMプログラムの参加者は約200人で、60か国以上から様々なバックグラウンドを持った学生が集まっています。弁護士や裁判官などの法曹資格保有者ももちろん多いものの、母国で博士課程に在籍中の学生がいるなど、研究や教育の分野でのキャリアを歩んでいる学生も比較的多い印象を受けました。
ハーバード大学のLLMプログラムでは、コモンローの国出身であるか、アメリカで司法試験を受験予定であるかに応じて履修が必要な科目が変わってきますが、それに加えて論文の提出が卒業要件となっていることが特徴的です。論文の作成は、ロースクールの教授に論文指導を依頼し、自ら論文のテーマを設定した上で指導担当の教授とやり取りをしながら進めていくこととなり、学生時代に卒業論文を作成したことがない私にとっては新鮮な経験でした。
必修以外の科目では、Corporate and Capital Markets Law and Policyという授業を履修しました。この授業では、毎週企業法や資本市場に関する様々なトピックが設定され、当該トピックに関連する複数の論文やコラム等を読み・ペーパーを事前に提出した上で、当該分野の専門家(デラウェア州の裁判所の裁判官、SEC委員、アクティビストファンドの創業者CEO、原告・会社側それぞれの弁護士、欧州のSWFの法務責任者等)がゲストスピーカーとして授業に参加しディスカッションをする形式がとられています。予習負担の大きい授業ではありましたが、様々な分野における最新の論点について学んだ上で、各分野のトップランナーから率直な意見や考え方を聞くことができ、非常に有益な授業でした。
また、ハーバード大学のロースクールにはCross-Registrationという制度があり、公共政策大学院であるKennedy SchoolやビジネススクールであるBusiness Schoolの授業を履修することができ、それらのスクールとの合同授業も多く開講しています。